世界はそれを逃避と呼ぶんだぜ
若者の課金離れ
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陽一

Author:陽一
返事がない。ただの中二病のようだ。
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妄想
 暗い夜の路地裏で。
 二人の少女が、対峙していた。
 一方は手に一振りの刀を持ち、
 もう一方は回転式拳銃を構えていた。

 ――如月千早は。
 刀を持った春香を目の前にしても……心のどこかで有利を噛みしめていた。
「……春香。やめなさい。私たちが殺し合う意味なんて、どこにもないのよ」
「ふん……確かに、“あなたには”ないでしょうね。でも、私にはあるのよ」
「……なんですって?」
 会話を続けながらも、頭の中では冷静な自分が、回転式拳銃の操作法を思い返している。
 撃鉄を起こし、照準を定め、トリガーを引く――
 ――これだけのはずだ。
「千早。あなたに私の苦しみが分かる? 没個性と言われ続けて……人気も出ずに、ただ惰性で活動を続けてゆくだけ……。
 血も滲むような努力をしたのに……誰も私に目を向けてくれない。どころか、同じ事務所のアイドルに私の居場所を奪われてゆく……。
 ……耐えられないわ。そんなこと」
 春香はどこか妖艶に笑みつつ、鞘からゆっくりと刀を抜いてゆく。
 向き身の刀が月の明かりを反射し、銀色に輝く。
 春香は続ける。
「だから、ね。この殺し合いに放り込まれたとき……私はチャンスだと思ったの。
 皆に復讐ができる。邪魔者を消せる……ってね」
「…………」
 千早は目を逸らさずに春香を見つめ続けた。
 ――いつもなら、何を莫迦なことを、と笑い飛ばせただろう。
 だが、春香の、それこそ刀のように冷ややかな口調は、それを冗談だと思うのを躊躇わせた。
 ……春香は、“やる気”だ。私達を“殺す気”なのだ。
「千早。私は貴方を殺すわ。貴方だけじゃない、やよいも、律子も、あずさも、亜美も真美も、美希も。全員ね。
 だって……そうしなければ、殺されるんですもの」
「……春香。あなたは、狂っているわ」
「えぇ。自分でもそう思う。狂わないと、人殺しなんてできないもの」
 ひゅん、と春香は刀を軽く振るった。その振り方からは、彼女が刀の扱いに長けているのか否かを推測することはできない。
「千早も、早く狂ったほうがいいわよ。この刀の試し切りができる程度には、生きていてくれないと困るから」
 ……狂いたくなんてない。私は死にたくないだけだ。
 そう。死にたくない。
 絶対に――
 ――撃鉄を起こす。
 リボルバーを両手で握り締めて、照準を春香に合わせる。
 彼女の脳天へ。
「……春香。私はあなたを殺したくなんてない。だから、このまま私の前から姿を消して。そうすれば、私は何もしないから」
「…………」
 春香は、すぅ、と目を細めた。
「――千早。殺す気の無い人間が、銃を人に向けたり、しないわよ?」
 千早は無言を返す。挑発には乗らない。
「ふふっ、なぁんだ。千早も“やる気”になってるんじゃない。ちょっとは楽しめるかしら?」
「……春香。強がりはやめて。不利なのはあなたのほうなのよ。刀と銃、どっちが強いと思ってるの?」
 当然のことながら、千早が銃を持ったのは初めてである。モデルガンさえない。
 けれども、刀が銃に勝てるわけがない――千早はそう確信していた。
 千早と春香の距離は五、六メートルほど。瞬間移動でもしない限り、千早の銃撃より早く春香の刀が届くことはまずない。 
「ふぅん……本気で言ってるんだ。じゃあ、試してみる?」
 春香が表情を消した。
 場の空気が緊張で満ちる。
 千早は春香の髪の動きにまで集中していた。
 彼女が動き出した瞬間、銃を撃てるように――

 ――――――。
 一瞬の間。
 そして、

「――――――――ッッ!」
 春香が駆け出した。
 体勢を猫のように低くしながら、疾風となり千早に迫り来る……!
「………………っ!」
 そしてその瞬間、千早はトリガーを引いていた。

 ――如月千早は間違っていた。
 どこが、と言われれば、総てが、と答えられる。
 まず。
 千早は、銃を撃つと反動が来ることを知らなかった。
 そして、彼女の細腕でその強烈な反動を抑えられるはずがないことも。
 そんな状況で、春香の頭という、どうしようもないほど小さい標的に命中させられるはずもなく。
 更に悪いことに、耳を劈く銃声と、明るいマズルフラッシュに驚いて目を閉じてしまった。
 結果。
 千早の撃った銃弾は、春香の体を掠るどころか、まったく関係ない方向へ飛んでいった。

 そして。
 天海春香は、その結末を予想していた。
 少し考えてみれば分かることだ。
 もともとの春香は、テレビや映画を好む少女だった。
 そして、そのメディアを通じて、素人が銃を扱うことがいかに難しいかを、おぼろげながら理解していた。
 ゆえに、刀対銃という絶対的不利な状況でも余裕を崩さず、あまつさえ積極的な攻めに転じることができた。

 ――始まってしまえば、五メートルなど一息の距離でしかなかった。
 千早は二発目を撃てる体勢ではなかった。
 春香の体が、迫る。
 ロングレンジがミドルレンジになり、ショートレンジがクロスレンジになり。
 春香の刀が、迫る。迫る。迫る。
「はぁ―――――っ!」
 下段からの逆袈裟斬り。
 千早の体へと。
 一直線に、
 そして、

 ――ガードできたのは、それこそ奇跡と言っても差し支えない。
 ただ、死にたくないという咄嗟の本能が、銃を盾として使う行動を起こしただけだった。
 がぎぃ、と低い金属音が鳴る。
「…………チッ!」
 春香の舌打ち。
 千早の体を斜めに切り裂くはずの刀は銃に阻まれ、彼女の髪の毛を数本払うだけに留まった。
「……ひ、」
 悲鳴を上げたのは千早だ。
「せぇいっ!」
 気合い一声。
 刀の攻撃が一撃で終わるはずもない。
 春香は刀を返し、一息に横に薙いだ。
 千早の首を切り落とさんとする一撃。
「……っっっ!」
 ぎん、と今度は高らかな音が響く。
 偶然か必然か。またも千早が持つリボルバーが刀を防いだ。

「……くっ」

 ……実を言えば。
 春香とて、刀の扱いに長けているわけではない。
 ただ見よう見まねで扱っているだけだ。
 だからこその、“試し切り”である。戦闘の素人であろう千早を実験台に、対人戦でどれほど刀を扱うことができるか確かめたかったのだ。
 ゆえに春香は攻める。
 こんな女に、自分が負けるはずがないと確信しているから。
「――ぁぁあああっ!」
 リボルバーで刀を受けるというのなら、持っている右手を切り落とすまで……!
 弾かれた刀を引き戻し、上段に構え直す。
 一瞬だけ狙いを定めて、息を吐き出しながら一気に振り下ろす。
 が。
「ぅ、わあぁぁああぁぁっ!」
 千早が叫びながら再び銃のトリガーを引いた!
「……っ!?」
 銃弾は春香の肩をかすめただけだが、斬撃を逡巡させるには十分だった。
「チィッ!」
 ……二発目が来るとは予見していなかった。おそらく、二度も攻撃に失敗してしまったのが、千早に体勢を直させる暇を与えてしまったのだろう。
 そして、その二発目の銃弾は――僅かながらにも、春香に“銃弾の恐怖”を植えつけることに成功した。 春香が刀を振り下ろすのを躊躇したその刹那、
「わぁぁあぁぁああああっっっ!!」
 千早は――逃げた。
 踵を返し、無様にも春香に背中を向け、一目散に駆けた。
「な……っ!」
 その突拍子もない行動に驚きながらも、逃がすまい、と春香は追撃の構えをとる。
 が、
「ぁぁっ! うあぁっ! あぁああっ!」
 後ろ手で千早がめちゃくちゃに乱射してくる。
 当然銃弾は当たるはずもないが、春香の気持ちを萎えさせるには十分だった。
「……ちっ」
 舌打ち一つ。
 ここにきて春香は、刀のリーチの短さを恨んだ。
 逃げる相手には、敵わない……。
 千早はみるみるうちに遠ざかり、そのまま夜の闇に紛れてしまった。
「逃がしたか……後々面倒ね」
 刀を見る。銃に当てたため、若干刃が削れているようだ。しかしこの程度ならば切れ味は損なわれていないだろう。
「まぁ、いいわ。当面の戦い方は理解したから」
 春香は一人ごちた。
 ……銃声が鳴ったのだから、この場所からは早く逃げなければならないだろう。人に見つかってしまう。
「……ゲームはこれからだし、ね」
 春香は千早とは反対方向に歩き出した。

 弾痕が残る路地裏を、月の光だけが照らしている。 

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……うららかな休日の午後に、俺は一体何を書いているのだろう。
なんというオナニー……これは間違いなく中二病。

だが、書いてみて分かった。
こんなのやりきれねぇ。
路線をもう一度考え直すべ。
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